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エンジニアリングマネージャーの備忘録です

会議で揉めたときは向きと前提知識をそろえる

WEB開発において、チーム内で意見が衝突することはめずらしくない。 会議中にメンバー同士で揉めた時、まず行うことが2つある。 ひとつは向きをそろえることで、もうひとつは前提知識をそろえることである。

向きをそろえる

意見が対立すると「あなたと私は敵である」という意識が生まれ、理論よりも感情が先行しやすくなる。 ただ本来、WEB開発チームは「プロダクトを成功させる(あるいは事業を成功させる)」という同じ目的を持った集まりであるべき。 プロダクトのビジョンやプロジェクトのゴールなど、最上位に位置する目的を再認識してもらい、メンバー同士が同じ方向を向くようにうながす。 すると、敵対関係が消え、感情を抑えて話し、相手の意見を聞き入れられる雰囲気が作られる(気がする)。

また、最上位の目的にひもづく下位目的があった場合に、各々の立場によっては優先する下位目的が異なることがある。例えば、デザイナーはユーザーの使いやすさ、エンジニアはシステムの保守性、ディレクターはコスト削減を第一に考えている、といった具合に。まずは各々の狙いをテーブルにあげてもらい、それらがトレードオフの関係になっている場合は、優先度をすりあわせるようにしている。

前提知識をそろえる

意見の食い違いがあった場合は、前提としている知識が違うことが多い。 専門とするドメインやバックグラウンドの違いによって、前提とする知識は人それぞれであることは自明だけれど、「相手がなにを知っていて、なにを知らないか」を知ることは難しい。 そのため、「あなたがなぜそう考えるのか、前提としている知識も含めて教えてください」という質問を投げかけ、本人から詳しく話してもらうようにする。 そうすると「あれ?このことが伝わっていないのかな」とか「ああ、そんな情報があったのか!」というズレに気づくことができる。

かっこよさげな横文字の単語が行き交っているときは危険信号で、同じ言葉でも人によって違う意味で捉えていることがよくある。これも「◯◯という言葉はどういう意味で使っていますか?」と丁寧に確認していくのがよい。


以前、自分が作成したチーム目標をメンバーに共有した時に、みんなから「なぜその目標になるのか理解できない」と総スカンをくらったことがあった。一人ひとり対話してみると、どうやら「会社からチームに求められているミッション」がうまく伝わっていないことがわかり、その前提から立ち返って説明すると納得してもらえたことがあった。自分では伝えていたつもりでも相手に届いているとは全く限らということを切に感じた経験だった。

最初からみんなが同じ方向を向いている、同じ知識を知っている、なんてことはありえない、って気持ちをもっておけば、会議で揉めてもその原因に意識が行くようになり、落ち着いたファシリテーションにつながると思う。